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E-E-A-Tと著者の専門性

AI・LLMO実践コラム / 権威性編

AIは「誰が言っているか」を見ています。同じ情報でも、専門性が示された発信のほうが引用されやすい——。今回は、AIに引用される条件としての“権威性”を、見落とされがちな「著者プロフィール」の作り込みから考えます。

AIは情報の「出どころ」を気にする

AIが回答を組み立てるとき、内容の正しさだけでなく「それを誰が言っているか」を手がかりにします。

専門性(Expertise)・経験(Experience)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthiness)——頭文字をとって E-E-A-T と呼ばれるこの考え方は、検索の世界で長く重視されてきました。そしてAI引用の時代に、その重みはむしろ増しています。出どころが曖昧な情報は、たとえ正確でも採用されにくくなっているのです。

見落とされがちな「著者」の扱い

多くのサイトが、記事の中身は丁寧に磨くのに、書き手の情報は一行で済ませてしまっています。これはとてももったいない。

なぜなら、AIが「この情報は信頼できる主体から出ている」と判断するための材料が、そこに足りていないからです。著者ページに、経歴・実務での実績・専門分野・必要なら本人を識別できる情報(プロフィール写真、外部での登壇歴・寄稿歴、各種プロフィールへのリンクなど)を整える。これは見栄えのためではなく、「専門性の根拠」をAIと読者の両方に示すための作業です。

「自分で言う」より「他者に言われる」

ここがいちばん大切なポイントです。

権威性は、自分で「専門家です」と名乗ることでは生まれません。経歴という事実、実績という証拠、そして第三者からの言及——この積み重ねが「信頼できる主体」という認識をつくります。

実際、2026年のAI引用に関する分析では、興味深い傾向が報告されています。Meltwaterが3〜4月のLLMの引用行動を追った調査では、AIが引用する情報源として、報道・ニュースなどのアーンドメディア(第三者に獲得された言及)が全体の約4割を占め、もっとも強い引用カテゴリーになっていました。さらに、YouTubeが多くのAIモデルで上位の情報源となり、Wikipediaも特定のエンジンで存在感を増しているとされています。

つまり、自社サイト(オウンドメディア)を磨くだけでは届かない領域がある、ということです。

オウンドとアーンド、両輪で考える

この事実が示す示唆は、はっきりしています。AIエンジンが優先して引用しない自社コンテンツだけに投資しても、AIでの存在感は思うように伸びません。効くのは、信頼される第三者の場での言及です。

具体的には、こうした取り組みが権威性を底上げします。

  • 専門家として外部メディアに登場する:業界メディアへの寄稿、取材対応、インタビュー
  • 第三者性のある場で言及される:信頼される業界サイト、評価の定まったデータベースでの掲載
  • 動画コンテンツを持つ:解説動画など、AIが情報源として参照しやすい形での発信
  • 一貫したブランド情報を保つ:名称・説明・専門分野が、Web全体で食い違わないようにする

自社サイトの整備(オウンド)と、外部での言及の獲得(アーンド)。この両輪で考えることが、AI時代の権威性づくりの基本です。

よくある疑問

Q. 著者名を出さない運営方針なのですが、不利になりますか?

匿名運営が直ちに「ダメ」というわけではありませんが、誰が・どんな専門性で発信しているかが見えないと、AIにとっても読者にとっても信頼の手がかりが減ります。可能なら、組織としての専門性や実績を示す情報を整えることをおすすめします。

Q. 第三者メディアに載るのはハードルが高いです。何から始めれば?

いきなり大手メディアを狙う必要はありません。業界の勉強会で話す、専門コミュニティで発信する、取材依頼に丁寧に応じる——こうした小さな“外部での足跡”の積み重ねが土台になります。

Q. 自社でブログを書くのは無駄ですか?

無駄ではありません。オウンドメディアは、専門性を示し、外部から引用される“素材”を蓄える場として重要です。ポイントは、それ「だけ」に頼らず、外部での言及とセットで考えることです。

まとめ

AIに引用されるかどうかは、「何を言うか」だけでなく「誰が、どう信頼されて言っているか」で決まります。著者プロフィールを充実させ、第三者から言及される機会をつくる。オウンドとアーンドの両輪で、権威性を育てていきましょう。

次回のコラムでは、視点を未来に移し、Google I/O 2026で示された「生成UI」が検索をどう変えるのかを、ビジネス視点で読み解きます。


参考にした情報源

  • Meltwater「GenAI Lens」LLM引用行動レポート(2026年3〜4月)
  • AI Share of Voice / AI引用源の傾向に関する各種分析(2026年)
  • Google 検索品質評価ガイドライン(E-E-A-Tの考え方)

※ 本記事の事実関係は2026年6月時点の公開情報に基づいています。引用源の傾向は調査主体やエンジンによって差があり、今後も変動します。

この記事の著者 今津 学 株式会社ノース・ヒル AIディレクター
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